2026
9.11
Contact Form 7 の禁止ワードが効かない理由と、その次の手
公開 読了目安 5分

設定したのに減らない。増やすと今度は本物の問い合わせが消える。禁止ワードが何をしている機能なのかを、公式の記載から正確に確認します。
禁止ワードという機能
禁止ワードは、特定の語が入っているかどうかだけを見る仕組みです。 営業メールの文面は毎回書き換えられるので、語を登録し続けても追いつきません。 追いつこうとして語を増やすと、今度は正規の問い合わせが同じ条件に当たって消えます。 設定の仕方の問題ではなく、機能の作りからそうなります。
まず、この機能が何をしているのかを確認します。
設定する場所
Contact Form 7 の禁止ワードは、CF7 が独自に持っている機能ではありません。 WordPress のコメント管理用の機能を、CF7 が流用しています。設定場所も WordPress 側で、管理画面の「設定」から「ディスカッション」に入ったところにある 「コメントで許可されないキーワード」です。1行に1語、または IPアドレスを書きます。
CF7 の公式ドキュメントは、この機能を「reCAPTCHA や Akismet では完全にブロックできないときに 役立つもの」として位置づけています。単体で解決する機能としては案内されていません。
検査される範囲
検査されるのは本文だけではありません。
- 本文
- 名前
- URL
- メールアドレス
- IPアドレス
- ブラウザの User-Agent
このいずれかに登録した語が含まれていると、その送信はスパムとして扱われ、メールは届きません。
語の登録で追いつかない理由
登録した語の数だけ止まり、書かれていない語は素通りします。 この一行がそのまま、次の3つの問題になります。
文面の書き換え
フォームから届く営業は、多くが人の手で書かれています。ボットが同じ文面を 撒いているのではないので、文面は自然に変わります。
「ご提案」を登録すれば、次は「ご案内」で来ます。「ご案内」を足せば 「お引き合い」で来ます。送り手は禁止ワードの存在を知らずに書いているだけなのに、 結果としてすり抜けていきます。
巻き込まれる正規の問い合わせ
すり抜けに追いつこうとして語を増やすと、登録した語を含む正規の問い合わせも 同じように消えます。しかも一致は語の途中でも起きます。 WordPress 自身のドキュメントが、英語の例でこう説明しています。
単語の内部にも一致します。たとえばpressはWordPressに一致します。
日本語でも同じことが起きます。「案内」を登録すると、 「ご案内いただいた件で」も「案内図を送ってください」も止まります。 送ってきたのが営業なのか顧客なのかを、この仕組みは判断していません。そこにその文字列があるかどうかしか見ていないからです。
WordPress のドキュメント自身、この欄について最後の手段として使うことを勧め、 正規のコメントが消えうると注意しています。語を足す前に、 その語が自社の顧客の文章に出てこないかを確かめてください。
止めたものの行方
スパムとして扱われた送信は、メールが送られません。そして Contact Form 7 は、 単体では送信内容を保存しません。Flamingo のような保存用のプラグインを 入れていなければ、止まったものを後から確認する手段がありません。
営業メールが減ったのか、問い合わせごと減ったのか、区別がつきません。取りこぼしたことに気づく機会が無いのが、この方法でいちばん重い副作用です。減ったように見えている状態と、 大事な連絡を落とし続けている状態が、見た目では同じになります。
禁止ワードを使うなら、Flamingo を先に入れて送信内容を保存しておくことを 勧めます。止めたものを見られる状態にしてからでないと、 設定を強めた結果がどうだったのかを確かめられません。
ほかの対策の守備範囲
よく併用が勧められる手段にも、それぞれ守備範囲があります。
- reCAPTCHA は自動送信を止める仕組みです。フォーム営業は人が送っていることが多く、その場合は通過します。
- Akismet を CF7 で使うには、フォームタグに
akismet:authorなどのオプションを付ける必要があります(公式の手順)。付け忘れると、入れただけでは働きません。加えて Akismet が判定するのは スパムかどうかで、実在の会社が名乗って送る営業提案は、 そもそもスパムに当てはまりません。 - IPアドレスのブロックは、送信元が変われば無効になります。共有のIPを止めれば、無関係の相手まで巻き込みます。
- 日本語を含まない送信の拒否は、海外からの自動投稿には働きますが、日本語で書かれた営業には働きません。
- フォームに「営業お断り」と書く方法は、読んで従う相手には働きます。従わない相手には働きません。
どれも有効な場面がありますが、共通して見ているのは語と送信元、 そして自動送信かどうかの3つです。取引先からの案内、業務提携の相談、 採用の応募、取材の依頼のように、営業の形をしていても受け取りたいものを 切り分ける手がかりが、この3つの中にありません。
内容で判断するという選択肢
何を受け取りたいかは会社ごとに違います。ある会社にとっての迷惑な売り込みが、 別の会社にとっては待っていた提案だということが起こります。 一般的な「営業メールの定義」では決められません。
禁止ワードで消耗しているなら、止める語を探し続けるのをやめて、受け取りたいものの条件を書くほうに切り替える手があります。
そして何より、止めたものが後から確認できる状態にしておくことです。 気づかないうちに落としているかもしれないという不安が残る限り、 対策を強める判断ができません。